2022年5月28日土曜日

あなたのやる気はどこから?眠っている間に脳の中では何が起きているのか。


 

睡眠不足だとなんだか頭がぼんやりして、やる気が出ないという経験は皆さんあるかと思います。そんな時、あなたの脳内ではどんなことが起きているのでしょうか?


【眠ってる間に脳は掃除されている?】

睡眠している間に脳がどのような状況になっているのかというのは、最近の研究で少しずつ分かってきたことです。

その中で、睡眠中に脳が掃除されている、ということが分かりました。

脳は起きている間、常に全力で情報の処理を行います。これがいわゆるシナプス(神経細胞の結合)の生成です。ですが、重要な情報を持ったシナプス以外を掃除していかないと、脳にはどんどん不要な情報が溜まっていってしまいます。

また、認知症の原因として注目された脳の老廃物であるアミノイドβも脳に存在しますが、これが睡眠時に洗い流されていることが分かりました。

ではどのように流されているかというと、脳は常に脳脊髄液という脳と脊髄の間を循環する液体で満たされています。これはおよそ1日に4〜5回、5~6時間をかけて入れ替わっていると言われています。

いわゆる体の中のシステムにおいて、このような老廃物を流していくシステムとしてはリンパ管が知られていますが、脳にはリンパ管がなく、これまでどのようにして老廃物が流されていたのか判明していませんでした。

ですが2012年、アメリカで脳脊髄液がどのように脳の中に入っていくのかが明かされ、翌年、睡眠中にこのシステムがより促進されることが明らかにされたことにより、睡眠中に老廃物が脳脊髄液を介して、洗い流されているということが分かったのです。


【何故脳を冷やすのが良いのか】

近年、より睡眠の質を上げるには、脳を冷やすのがよいとされています。確かに頭が冷えてると、寝苦しい夜なんかは寝やすい気もします。ですが、この理由はその程度のものではありません。

前述のように脳は睡眠中に老廃物を洗い流します。ですが、脳が疲れて、パンパンになっていたら、液体はあの脳の隙間に十分に入っていくことは出来ないのはイメージが出来るかと思います。

PCをよく触る人なら、熱がPCの処理速度において最たる敵だと言うことは理解できると思いますが、脳もまた熱を持って膨らんでる状態では良いパフォーマンスを得ることが出来ないのです。

そのため、寝ている間に頭をなるべく冷やすことで、脳の掃除をより正確に、丁寧に行うことが出来るということなのです。

 

【目をつぶるだけで脳はリラックスしている?】

寝付きが悪い人間は、眠れないことに絶望することが多々あります。あぁ、また朝になってしまった、ということは何度も経験があるでしょう。個人的な経験から、これはもう、1度諦める必要があります。寝なければいけないという感情はより眠りにくくする負のループに入ります。(なんなら、夜中だろうがもう1度、お風呂に入ることもあります)

ですが、目をつぶっているだけでも実際には脳はリラックスしています。眠れなかったという自責だけがあなたを無意味に傷つけているだけなのです。

そこで黙って目をつぶっているのが不得意な人は、ヨガニードラにチャレンジしてみてください。座禅を組むことなく、横になっているだけでいいヨガです。呼吸法と体の感覚を取り戻すためのヨガなので、不要なことを考えすぎない時間を過ごせます。

 

【あなたのやる気は、どこから??】

さて、やる気が出ないという現象は実際にはどのようにして起きているのでしょうか。それはホルモン分泌と大きく関係しています。やる気というのは、セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンなどのホルモンが適切なタイミングで分泌されることによって、生まれます。

つまり、適切な体内時計のサイクルが崩れてしまっていると、ホルモンの分泌に影響して、やる気が出ない体になってしまうのです。

ドーパミンはレム睡眠が始まるのに必要とされており、少なくなれば、日中はやる気が出ず、夜はちゃんとした睡眠リズムが得れなくなるという自体に陥ってしまいます。

些細な刺激でドーパミンは出てしまうため、夕方以降に何か刺激的なことが多いと、睡眠時に本来必要なドーパミンが足りないなんていうことにもなりかねないわけです。




睡眠の質は日中の活動にも大きく影響を与えます。ただ気持ちよく眠るだけではなく、より活動的な日中を過ごすためにも、ちゃんと眠れる準備をしましょう。

スマートフォンが睡眠をダメにする理由とは?ブルーライトの影響?SNSは刺激が多すぎる??



睡眠を追い求めるものにとって、睡眠の2時間前にスマホの画面を閉じろ、というのは基本的な行動となっています。(現実的にすることはなかなか難しいのだけども)

では何故そうするべきかというと、理由は大きく分けて2つ。スマホが発する光の影響と、スマホで得れる情報による刺激、です。

前回、朝に光を浴びると睡眠サイクルが働き、質の高い睡眠を得れるという話をしましたが、今回は全く逆の話をしていきましょう。



【ブルーライトは太陽光に似ている?】

PCやスマートフォンの影響としてブルーライトが目を悪くするという話はよく聞くと思います。これは紫外線や近赤外線に次、可視光線では最もエネルギーが強いのがブルーライトであり、前2つは網膜にまで到達しないものの、ブルーライトは網膜にまでたどり着くことから言われています。

つまり、ブルーライトそのものは太陽光にも含まれており、なんならLEDから発せられる100倍近い量の光が出ています。もちろん太陽光のブルーライトも浴びすぎるのは良くないのですが、スマホのブルーライトは浴びる時間に問題があります。

朝に日の光を浴びることで体内時計のリズムが始まり、適切な時間にホルモン分泌が行われることで睡眠の質が上がるわけで、そうではない時間に無作為に光を浴びれば、それだけで睡眠の質は変わってしまうわけです。

研究により、眠る前にブルーライトを浴びていた人は、睡眠時間そのものが短くなり、翌日の活動にも支障が出ていることが分かっており、睡眠前にブルーライトを浴びることは睡眠だけではなく、その後の日常生活にも影響を及ぼしていると言えます。



【眠る前のSNSは刺激的過ぎる?】

我々はインターネットの発達によって、多くの人と結びつくことが出来るようになりました。功罪どちらともあると言えますが、こと睡眠にとっては問題がつきものです。

インターネットの発達によって、より早く、より手軽に情報にアクセス出来るようになったことは間違いありませんが、それは夜の過ごし方を一変させたと言っても過言ではありません。

特にSNSの登場は、その人にとって興味あることが並んでいたり、ショッキングなことも多く書かれています。さらには文字だけではなく、それは画像や動画などより解像度の高い情報として存在しています。

情報が多くなればなるほど、人の脳で処理をしていく負荷はどんどん高まっていくわけで、交感神経、副交感神経の関係から見ても、夜中のSNSは決して休まるためのものとは言えません。

自分の経験でも寝る間際に、TikTokを見始めて、いつの間にか寝るタイミングを失って朝になってしまったことが何度もあります。人間の脳は夜にSNSを見ても、安心してぐっすり眠れるほど便利な作りにはなっていないのです。



【我々は夜、どう過ごすべきか】

寝る2時間前にスマートフォンを閉じるべき理由は分かったと思います。遠慮はいりません。寝室にも持ち込まずに、リビングのテーブルの上に置いておきましょう。眠る前の2時間、今までならベッドの中でYoutubeを見たり、Netflixで映画を見ていたでしょうが、ゆっくり本を読んだりするのもいいでしょう。紙の本と電子書籍で睡眠の質を比較した時も、紙の本が優れているということは証明されています。このブログを見ている人なら、どちらが賢い行動かは一目瞭然です。

軽いストレッチをしてあげるのも良いでしょう。仕事柄、多くの人が体を痛めていることを知っています。あなたの体には睡眠と同時に脱力が必要です。ストレッチをして体を緊張させることは、より大きな緩和、脱力のきっかけとなります。好きなアロマなどを焚きながら、深い呼吸を手に入れましょう。

2022年5月27日金曜日

眠るために光を浴びる必要があるのは何故?朝15分の行動が変える"睡眠の質"とホルモンの関係とは?



かつて自分も体調を崩していた時に、医者から言われた一言。



【朝日を浴びなさい】



しかし、その当時は朝日を浴びたところで、夜寝付けない症状が改善されることもなく、そもそも運動なんてする気力もなく、ベッドから動けないような生活を送っていました。

今、改めて睡眠に関して学んでみると、ようやくその意味が分かりました。

近年、腸とホルモン分泌の関係は研究が進んできた分野であり、睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンがどうやって増えるのか、どんなタイミングで増えるのかということが分かってきています。

そんな話の一歩として、まずは何故、光を浴びる必要があるのか、という話をしていきましょう。



・光を浴びると、何が起きる?

何故、光を浴びる必要があるのか、それはホルモン分泌に関連します。

脳の視床下部にある「視交叉上核」という視神経の集まりで体内時計は管理をされており、消化吸収や免疫、血圧、食欲、気力などを司るホルモンが24時間周期の中で適切なタイミンで作られます。

つまり、朝日を浴びることで、その日の光は目を通して脳に働きかけ、反応する臓器に朝が来たことを知らせ、体内時計が朝のリズムになっていく、というわけです。

 

・睡眠と光の関係

では、朝に浴びた光がどう睡眠に影響するのかというと、朝日を浴びておよそ12〜3時間後、体内では睡眠ホルモン「メラトニン」の生成が始まります。メラトニンは睡眠をするためのホルモンというよりは、熟睡を促すホルモンという位置ですが、睡眠の質とは切っても切り離せない関係にあります。

かつての自分が思っていたように、一見眠れることに関係がないように見える朝日を浴びるという行為ですが、体内時計のサイクルという観点で見ると、朝日を浴びなければメラトニンの正常な生成に影響を及ぼしていると言えます。


・何をすればいいのか

とりあえず体内時計と睡眠の関係は理解出来たでしょうが、実際に何をすればいいのか。すごく単純な話です。晴れた日は15分程度、曇りの日は1時間、窓際にいましょう。朝の支度をするでもいいし、ヨガをするでもいい。なんなら座ってぼーっとするでもいいのです。わざわざ外に出て、小鳥に話しかけることも、ラジオ体操をすることもありません。黙ってるだけでいいのです。目や肌を通して、光を感じることが重要です。

朝に時間が取れないという人は、休憩時間は外に出る、ということでも代用することが出来ます。

また季節的に、秋・冬は日照時間の短さや紫外線量が少ないことから、効果が得にくいと言われています。




何時間寝るのがすっきりと起きれるのかは個人の体質などで分かれるものですが、午前6時〜8時半に目を覚まして、日の光を浴びることは体内時計の調整として重要なことです。より質の高い睡眠を目指す一歩は、朝起きるところから勝負が始まっているといっても過言ではないのかもしれません。

あなたのやる気はどこから?眠っている間に脳の中では何が起きているのか。

  睡眠不足だとなんだか頭がぼんやりして、やる気が出ないという経験は皆さんあるかと思います。そんな時、あなたの脳内ではどんなことが起きているのでしょうか? 【眠ってる間に脳は掃除されている?】 睡眠している間に脳がどのような状況になっているのかというのは、最近の研究で少しずつ分か...