睡眠不足だとなんだか頭がぼんやりして、やる気が出ないという経験は皆さんあるかと思います。そんな時、あなたの脳内ではどんなことが起きているのでしょうか?
【眠ってる間に脳は掃除されている?】
睡眠している間に脳がどのような状況になっているのかというのは、最近の研究で少しずつ分かってきたことです。
その中で、睡眠中に脳が掃除されている、ということが分かりました。
脳は起きている間、常に全力で情報の処理を行います。これがいわゆるシナプス(神経細胞の結合)の生成です。ですが、重要な情報を持ったシナプス以外を掃除していかないと、脳にはどんどん不要な情報が溜まっていってしまいます。
また、認知症の原因として注目された脳の老廃物であるアミノイドβも脳に存在しますが、これが睡眠時に洗い流されていることが分かりました。
ではどのように流されているかというと、脳は常に脳脊髄液という脳と脊髄の間を循環する液体で満たされています。これはおよそ1日に4〜5回、5~6時間をかけて入れ替わっていると言われています。
いわゆる体の中のシステムにおいて、このような老廃物を流していくシステムとしてはリンパ管が知られていますが、脳にはリンパ管がなく、これまでどのようにして老廃物が流されていたのか判明していませんでした。
ですが2012年、アメリカで脳脊髄液がどのように脳の中に入っていくのかが明かされ、翌年、睡眠中にこのシステムがより促進されることが明らかにされたことにより、睡眠中に老廃物が脳脊髄液を介して、洗い流されているということが分かったのです。
【何故脳を冷やすのが良いのか】
近年、より睡眠の質を上げるには、脳を冷やすのがよいとされています。確かに頭が冷えてると、寝苦しい夜なんかは寝やすい気もします。ですが、この理由はその程度のものではありません。
前述のように脳は睡眠中に老廃物を洗い流します。ですが、脳が疲れて、パンパンになっていたら、液体はあの脳の隙間に十分に入っていくことは出来ないのはイメージが出来るかと思います。
PCをよく触る人なら、熱がPCの処理速度において最たる敵だと言うことは理解できると思いますが、脳もまた熱を持って膨らんでる状態では良いパフォーマンスを得ることが出来ないのです。
そのため、寝ている間に頭をなるべく冷やすことで、脳の掃除をより正確に、丁寧に行うことが出来るということなのです。
【目をつぶるだけで脳はリラックスしている?】
寝付きが悪い人間は、眠れないことに絶望することが多々あります。あぁ、また朝になってしまった、ということは何度も経験があるでしょう。個人的な経験から、これはもう、1度諦める必要があります。寝なければいけないという感情はより眠りにくくする負のループに入ります。(なんなら、夜中だろうがもう1度、お風呂に入ることもあります)
ですが、目をつぶっているだけでも実際には脳はリラックスしています。眠れなかったという自責だけがあなたを無意味に傷つけているだけなのです。
そこで黙って目をつぶっているのが不得意な人は、ヨガニードラにチャレンジしてみてください。座禅を組むことなく、横になっているだけでいいヨガです。呼吸法と体の感覚を取り戻すためのヨガなので、不要なことを考えすぎない時間を過ごせます。
【あなたのやる気は、どこから??】
さて、やる気が出ないという現象は実際にはどのようにして起きているのでしょうか。それはホルモン分泌と大きく関係しています。やる気というのは、セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンなどのホルモンが適切なタイミングで分泌されることによって、生まれます。
つまり、適切な体内時計のサイクルが崩れてしまっていると、ホルモンの分泌に影響して、やる気が出ない体になってしまうのです。
ドーパミンはレム睡眠が始まるのに必要とされており、少なくなれば、日中はやる気が出ず、夜はちゃんとした睡眠リズムが得れなくなるという自体に陥ってしまいます。
些細な刺激でドーパミンは出てしまうため、夕方以降に何か刺激的なことが多いと、睡眠時に本来必要なドーパミンが足りないなんていうことにもなりかねないわけです。
睡眠の質は日中の活動にも大きく影響を与えます。ただ気持ちよく眠るだけではなく、より活動的な日中を過ごすためにも、ちゃんと眠れる準備をしましょう。